生産者・ワイナリー紹介

サンセールの中心、サンセール村の北に位置するマンブレイ、畑の急斜面を登りきると向こう側の丘の上にサンセール村の全景を見渡すことが出来る。
ここルヴェルディの畑はジュラ紀の化石が表土にも点在する、キンメリジャン土壌の標本のような場所にブドウ畑が広がる。生命感が漲るこの斜面にはソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールが何世紀にもわたりルヴェルディ・ファミリーの手で栽培されている。ここから生まれるワインはテール・ド・マンブレイ「マンブレイの大地」と命名されている。その味わいは美しいサンセールの景観をワインにそのまま表現しているようだ。

ルヴェルディ家はサンセールのマンブレイに代々引き継がれる農園を所有している。1980年代まで彼らはワインとこの地の名物チーズであるクロタン・ド・シャヴィニョルを生産していた。1985年パスカルが家業を引き継ぎ、1993年に弟の二コラが加わった。兄弟はワイン造りに専念するためにブドウの木の植え替え、古い農場の建物をワイナリーに改修し、それまでネゴスに売っていたワインを自らボトリングして販売を開始しした。ここにドメーヌ　パスカル・エ・二コラ　ルヴェルディがスタートする。
こうして誕生したドメーヌ　パスカル・エ・二コラ　ルヴェルディは彼らのワインを大手の流通に乗せることなく、自らの力でワインの販路を広げて行った。ワインの評価も高まり彼らのワインに注目が集まるようになってきた2007年、ドメーヌは二コラが不慮の事故で急逝するアクシデントに見舞われた。ドメーヌにとって大きな痛手であったが、この時、二コラの妻のソフィーがドメーヌに入り、パスカルとその妻ナタリーと共に家族が結束してドメーヌを力強く運営していった。2019年にはパスカルの息子で醸造学者のヴィクトリアンと弟のバジャマンがドメーヌに入り新たな進化が始まった。

ルヴェルディのスタイルとは、それはサンセールの本質的な味わいを表現している。
所有する畑は全17.2ha(ソーヴィニヨン・ブラン12.2ha、ピノ・ノワール5ha)、ビオロジックのアプローチに近いリュット・レゾネで耕作される。全ての行程は彼らの丁寧な作業の積み重ねの結果であることは、仕上がったワインからも容易に想像できる。ワインの味わいから、パッケージングまで派手な装飾は一切無く、上質なサンセールを楽しむことが出来る。じっくりと向き合うことが出来るワイン、そして晩餐の友としてその役割を見事に果たす。
ソーヴィニヨン・ブランに興味がある方、フランス・サンセールのソーヴィニヨン・ブランとは何か、と探し求める方には絶好のサンプルに外ならず、また、このワインを知ることは生涯の友を得たも同然の価値をも感じさせる。