生産者・ワイナリー紹介

PRODUCER&WINERY

アソーレス・ワイン・カンパニー

Azores Wine Company

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メーカーサイト: Azores Wine Company


アントニオ・マサニータ

若手のワインメーカーとして今ポルトガルで最も活躍しているアントニオ・マサニータ。アレンテージョやドウロで自身のワイナリーを持ち、ポルトガル国内の各地でコンサルタントを行っている。ナパやボルドーなど世界各地のワイナリーで研鑽を積んだのち、ワインビジネスに全くのレガシーのないゼロから、2004 年アレンテージョのワイナリーを立ち上げ、数々の挑戦的なワインを送り出し注目の生産者となった。
2018年に『レヴィスタ・デ・ヴィニョス』誌でワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。アソーレス・ワイン・カンパニーはグランド・エスコーリャ誌においても、『ワイン・カンパニー・オブ・ザ・イヤー2021』を受賞した。そして2023年にはWine&Sprit誌で世界のワイナリーベスト100に選出された。

アソーレス・ワイン・カンパニー

アソーレスはアントニオ・マサニータの父がサンミゲル島出身だったことから、幼少期に休暇を過ごした土地。2000年には若干20歳でサンミゲル島でブドウ畑を造り始めるが失敗。2014年に絶滅危惧のアソーレス諸島の土着品種を守るプロジェクトを開始するためにアソーレス・ワイン・カンパニーを2人のパートナーとともに設立。ワイナリーは島の北海岸、カイス・ド・ムーラトの近く、ピコ島のブドウ畑の景観の中心部に位置する。創立のパートナーであるフィリップ・ロシャは現在は財務責任者としてこのプロジェクトをサポートしている。
1850年代ベト病とフィロキセラによりアソーレス諸島のブドウ畑は完全に破壊され、ピコ島の人口の半数がアメリカ大陸に移住した。アソーレス・ワイン・カンパニーでは地元の伝統と文化を取り入れ、ブドウ栽培の人的要因の再統合行い、長年にわたり困難で手間のかかる作業により荒廃したブドウ畑の回復を推し進めている。火山という自然の力とブドウ畑のために景観を形成する人間との闘いがこの地では日々繰り広げられており、アソーレス諸島のワインは、その土壌、気候、ブドウ栽培の伝統と文化を映し出す鏡となっている。
島独自の土着品種と厳しい環境のもとで、手間をかけて造られた希少なブドウから最小限の人的介入でワイン造りを行い、突出した品質のテロワールを表現した唯一無二のワインを造っている。彼のワインにはこれまでの常識を覆すほどの力を感じさせる。

アソーレス諸島とピコ島

アソーレス諸島はリスボンから西へ約1500km、大西洋に浮かぶ9つの島からなる群島で、ピコ島はその中で2番目に大きい火山島(面積446k㎡)。地表を溶岩に覆われた島を入植したカトリックの修道士たちが苦労を重ねて開墾しブドウ栽培を始め、ブドウの樹は溶岩流の穴や裂け目に植えられた。夏の強い日差しと溶岩台地の水はけのよさによって糖分が高まり、火山岩に含まれる豊富なミネラル分を吸収する。強い潮風でブドウの樹が折れるのを防ぐため、火山岩を使った「クライス」と呼ばれる石垣でブドウ畑を囲んだ。この石垣をつなぎ合わせた長さは地球2周分ともいわれており、その美しい「ピコ島のブドウ畑文化の景観」は2004年ユネスコの世界文化遺産に登録されている。

【ピコ島の気候】
ピコ島の気温は穏やかで、湿度が高く、海に囲まれた海洋性気候で、ポルトガルで最も高い標高2351mのピコ山が島の気候に大きな影響を与えている。大西洋からの湿った風がピコ山にぶつかり、上空に押し上げられ、露点に達して雲になるまで気温を下げる。ピコ山の山頂付近では年間5000ミリの雨が降るが、海の近くでは1000ミリにも満たず、気温も高い。山から遠い、海のすぐ近くの「カニの歌声が聞こえる」場所が最高のブドウ畑だと言われている。