伝統と革新の見事なバランス
キンタ・ドス・ロケスは、古くからポルトガルのワイン生産地として有名な、ダン(DÃO)地方の中心部ネラスの北東に位置し、エストレラ山脈の南斜面に40haの葡萄園を所有するワイナリー。年間17,000ケース(赤ワイン80% 白ワイン20%)を生産しています。
前当主故マニエル・ロペス・ド・オリビエラ氏は、これまでの伝統的なワイン造りを継承するとともに、高級ブドウ品種への植え替え、キンタワイン(生産者元詰め)の製造、フレンチオークの使用等を次々と実施。現在の当主である、オリビエラ氏の娘婿ローレンソ氏と共にワイン造りの革新を進め、新たなダンワイン造りへの挑戦を続けてきました。
ダンのヴァラエタル・ワインの先駆者
ダン地方では伝統的に数種の認定品種を使ってワイン造りが行われ、DOCダンの白ワインもエンクルザード種を40%以上と、他の品種を混合することが義務付けられていました。 1992年、キンタ・ドス・ロケスでは初めて、エンクルザード種100%のフレンチオークで発酵させた革新的な白ワインを製造。このワインが各地で大きな反響を呼び、他の生産者も次々とエンクルザード100%のワインを造りだした為、ダンのDO協会もこのワインをDOダンワインとして認めざるを得なくなり、1998年ついにエンクルザード100%のダンワインが誕生しました。
また、ポルトガルを代表する品種ながら収量が少ないトウリガ・ナショナルを全畑の40%まで植え替え、トウリガ・ナショナル100%のワインをリリース。そのトウリガ・ナショナル1996年がワイン&スピリッツ誌「ポルトガル・ヴァラエタルワイン特集」で全出品アイテムの中の最高点(94ポイント)を獲得しました。その後、2005年VTがインターナショナル・ワイン・チャレンジ2007の「ポルトガル赤ワインカテゴリー」でトロフィーを受賞!その他、世界の著名ワインコンペでも次々と栄誉ある受賞を誇ります。
そして英国を代表するワイン評論家のジャンシス・ロビンソンがこの10年間で最も心に残ったポルトガルワイン10選として、キンタ・ドス・ロケス エンクルザード2007年が紹介されました。
現代のポルトガルワイン界に於いてもキンタ・ドス・ロケスのワインは確実に進化を遂げています。
新たなる取り組み… 地球に優しいワイナリー
ポルトガル・ダン地方で最高の評価を不動にする一方、ローレンソ氏は環境への配慮を重視したワイナリーへの道を邁進しています。
畑全体を無農薬・有機栽培に転換する方針を示し、最初にキンタ・ダス・マイアスの畑を無農薬・有機栽培に転換、ビオ認定のワインとして出荷を開始しています。輸送時のCO2削減のためワインボトルの軽量化、省電力のためワイナリーの壁や屋根の断熱効果を高める構造を採用するなど、次々と地球環境に優しいワイナリー造りを推進しています。
【キンタ・ダス・マイアス】
キンタ・ドス・ロケスから30Km東、エストレラ山の麓の斜面に40haの畑を有する歴史あるブドウ園。1997年にキンタ・ドス・ロケスが購入しワイン造りを継承。2007年から葡萄造りをオーガニック栽培に転換し、2011年収穫からオーガニックの認定を得ました。