ヨーロッパ最大規模のフルーツワインメーカー
ドクターディムース社は1925年にウイリー・ディムースによってドイツのカトレンブルグに設立された、ヨーロッパ最大規模のフルーツワインメーカー。現在は3代目のクラウス・ディムース氏に引き継がれている。
1日30万本のボトリングが可能な最新設備を有し、フルーツワインだからこそ要求される徹底した衛生管理のもと、厳選された原料フルーツを使用し高品質のフルーツワインを製造している。
また、クラウス・ディムース氏はヨーロッパフルーツワイン協会の会長も歴任。フルーツワインの世界的な発展に貢献した功績により、ドイツ農産物協会(DLG)は2007年、ドクターディムース社に最高賞「プライズ・オブ・ザ・ベスト」を与えた。
美味しいジュース造りから生まれたフルーツワイン
カトレンブルグはフランクフルトの北東約250km、ハノーバーとゴッティンゲンの中間に位置し、ドクターディムース社は空気のきれいなこの街でワイン造りを行っている。
設立当初は、自家農園で栽培するリンゴを使ったジュースを製造していたが、予期せずしてリンゴ果汁が発酵し美味しいアップルスパークリングワインになることが発見された。このアップルスパークリングワインを試験的に販売してみたところ大変評判となり、これをきっかけに様々なフルーツを使ったワインの開発が始まった。その中のひとつとして開発されたストロベリー果汁のスパークリングワインは、「ストロベリー・シャンパン」と呼ばれ人気となり、瞬く間にドイツ国内に広がった。
こうしてドイツ有数のフルーツワインメーカーとして成長したドクターディムース社は、1960年代中ごろに製造設備の近代化を図り自社内に研究所を設け、本格的なフルーツワインの開発を開始した。
世界が認める醸造技術
フルーツから生まれるワインは、ぶどうのワインに比べて糖度が高いため、二次発酵が起らないよう細心の注意と高度な醸造技術が要求される。
ドクターディムース社では、徹底した衛生管理のもと、温度管理が可能な最新設備を導入し、品質の高い原料果汁を使用して、美味しく安全なフルーツワインの醸造を実現している。 原材料となるフルーツ果汁は、世界中から厳選されたサプライヤーから購入しワイナリーに納品された時点で厳しくチェックされる。
ブルーベリーワインのような透明なワインは、加熱による殺菌が可能なため比較的醸造が簡単であるが、マルチ・ヴィタ・ヴィーノやマンゴースパークリングワインのような果肉成分が多く濃厚なワインは、加熱すると変色する恐れがあるため加熱殺菌ができない。厳密な温度管理と衛生管理、そして高度な醸造技術によって、みずみずしいフルーツの味わいを生かしたフルーツワインが生産されている。
これらの高度な技術を持つドクターディムース社は、世界有数のフルーツワインメーカーとして注目されている。また2007年には食品安全マネジメントシステムの国際標準規格であるISO22000を取得し、さらなる品質向上を目指し続けている。
最新技術を用いた商品開発を行う一方で、ハニーワイン(ミード)のように伝統的なワインの製造も行いドイツ国内で年間約60万本が消費されるなど、ドイツ国内でも高い信頼を得ている。