カトリーヌ・メゾヌーヴとマチュー・コス
カトリーヌ・メゾヌーヴはパリ北部に生まれた。実家はワイン生産者ではなかったが、ワインそしてワイン造りに対する情熱を持ち続け、ボルドーのブランクフォールでブドウ栽培学とワイン醸造学のBTS(上級技術者免状)を取得している。そしてマリア・チュンの元でビオディナミを学んだ。
天才的なテイスティング能力を有するマチュー・コスは、20数年にわたりボルドーのグラン・ヴァンシャトーでワイン造りを続けた経験を持つワインメーカー、この才能に溢れる2人は出会う。彼らはフランス各地で試飲会やセミナーを実施する一方、自らのワイナリーで自らが求めるワイン造りを行うことを目標とし、理想的な土地を探し求め、そして見出したのがカオールのプレサック近郊であった。
ドメーヌ コス・エ・メゾヌーヴ
カトリーヌ・メゾヌーヴとマチュー・コスは1999年、カオールの地を東西に蛇行するロット川の左岸のLacapelle-Cabanacに5haのブドウ畑を前所有者から引き継ぎ、その後、徐々に畑は拡大され、現在は28haのブドウ畑を所有するに至る。この地の土壌、気候、そして他の生産者の畑が隣接していない環境は、彼らが目指すブドウ栽培、ワイン造りには理想的な場所であった。カトリーヌとマチューはこの地の素晴らしさをワインに表現するため、ビオディナミ農法でブドウを栽培し、これまで「黒いワイン」と呼ばれ濃厚な味わいを特徴としたカオールのイメージとは全く異なる、実にエレガントなスタイルのワインを造り出した。
2006年マチュー・コスはプロヴァンスのシャトー・ラ・コステのワインメーカーに就任、安藤忠雄氏の設計で有名なこのワイナリーで、ビオディナミによるワインを生み出している。以降、マチュー・コスは毎週のようにプロヴァンスとカオールの間、片道5時間のドライブを続けている。
ドメーヌ コス・エ・メゾヌーヴのオーナーでワインメーカーはカトリーヌ、マチュー・コスはワインメーカーとしてドメーヌを支えている。
出会いとドメーヌの到達点
我々との出会いは2012年、アンジェのグルニエ・サン・ジャンで行われたビオディナミの試飲会での事だった。コス・エ・メゾヌーヴのワインを試飲し、その素晴らしさに驚いている時に、その場に居合わせたロワールのビオディナミの大家の故ギィ・ボサール氏がコス・エ・メゾヌーヴのワインを絶賛されたことに始まる。ビオ生産者の間では既に彼らのワインは高く評価されていること知る機会となった。
カオールのワインが持つ従来のイメージを完全に塗り替えるコス・エ・メゾヌーヴの味わいは、時代を先取りしている。生産地やAOCではなく、造り手自身が最も重要と理解すべき時代に入ったことを象徴するかのようなワインだ。
フランスのワイン評価誌「LA REVUE DU VIN DE FRANCE」で2ツ星の評価を受け、名実ともにスッド・エスト(南西地方)のトップ生産者の中に位置付けられている。